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CASE STUDY ─ SaaS / 営業DX

「使いやすい」を、
選ばれる理由へ。

Client株式会社DonDotProjectフロシキ 事業戦略・マーケティング戦略支援Partner株式会社eap

外回り営業SaaS「フロシキ」の3C分析から、競争ポジション、ターゲット、マーケティング戦略までを再設計。

株式会社DonDotが提供する「フロシキ」は、地図を起点に顧客情報と営業活動を管理できる、外回り営業特化の営業支援サービスです。現場が使いやすいプロダクトとして顧客に評価される一方、その強みは「使いやすい」「ちょうどいい」という感覚的な言葉に留まっていました。eapは、施策を増やす前に「フロシキは、どこで・誰に・何を価値として勝つサービスなのか」を定義し直すことから支援。3C分析を通じて、最大の競合が他社SFAだけでなく紙・Excel・Googleマップといった「非消費」であることを突き止め、「使いやすい」を「現場が入力する→データが貯まる→営業が見える→戦略が立つ」という価値の因果構造へ再定義しました。そのうえで、機能の多さではなく「現場が使い続けること」を軸にした競争ポジションと、ターゲット・メッセージ・チャネル・成長ロードマップまでを設計しています。

継続支援
事業戦略マーケティング戦略3C分析ポジショニング営業戦略
外回り特化の営業地図アプリ「フロシキ」。地図を起点に顧客情報と営業活動を管理できる(画像はフロシキ公式サイトの公開ビジュアル)。
01プロジェクト概要

プロジェクト概要

Client|クライアント
株式会社DonDot
Project|プロジェクト
フロシキ 事業戦略・マーケティング戦略の再設計(3C分析・バリューポジション・ポジショニング・ターゲット/チャネル戦略・成長ロードマップ設計)
Industry|業界
SaaS / 営業DX
Service|支援領域
事業戦略 / マーケティング戦略 / 3C分析 / ポジショニング / 営業戦略
Period|支援期間
継続支援
Team|eap担当
株式会社eap(Strategy / Marketing Partner)
支援前の課題

顧客からは「使いやすい」「ちょうどいい」と評価されていた一方、その強みが感覚的な言葉に留まり、「なぜ競合ではなくフロシキなのか」を競合比較・リプレイス提案・大型顧客への提案で説明しづらい状態だった。

eapのアプローチ

3C分析で顧客・競合・自社を構造化し、最大の競合が「非消費」と「導入しても現場に使われないSFA」であることを特定。「使いやすい」を「現場が入力する→データが貯まる→戦略が立つ」という因果へ再定義し、勝てる評価軸・狙う市場・チャネル戦略・成長ロードマップまでを設計した。

成果

感覚的だった強みが、競合と比較可能な価値構造とポジショニングの言葉に変わり、狙う市場・避ける市場、営業・マーケティングへの展開ロードマップまでが一枚の戦略として揃った。

02プロジェクトの背景

顧客には選ばれている。しかし「選ばれる理由」を言葉にできていなかった。

外回り営業に特化した営業支援サービス「フロシキ」。地図を起点に顧客情報や営業活動を管理でき、現場担当者が使いやすいプロダクトとして、リフォーム・住宅・不動産など訪問型の営業を行う企業に導入されてきました。

一方、事業を次の成長ステージへ進めるうえで、新たな課題が浮かび上がっていました。顧客から評価される理由は、「使いやすい」「必要な機能が揃っている」「ちょうどいい」というもの。プロダクトへの評価としては確かなものですが、それだけでは「なぜ競合サービスではなくフロシキなのか」を明確に説明しづらく、競合からのリプレイスや、より大きな顧客への提案では十分な武器になりません。

導入社数を大きく伸ばしていくためには、共感だけでなくロジックで選ばれるための材料 ── 導入事例、競合比較、数値根拠、そしてその土台になるポジショニング ── が必要でした。

そこでeapは、施策を増やす前に、「フロシキは、どこで・誰に・何を価値として勝つサービスなのか」を改めて整理するところから支援を開始しました。

03課題

課題は認知や機能ではなく、強みが戦略の言葉になっていないこと。

初回の打ち合わせでeapとDonDot社が確認したのは、「プロダクトは評価されているのに、選ばれる理由をうまく言葉にできていない」という状態でした。課題は大きく4つに整理されます。

01|強みが感覚的な言葉に留まっていた。「使いやすい」「ちょうどいい」という評価はあったものの、それが競合比較でどう優位になるのかが言語化されていませんでした。

02|競合と同じ「SFAの機能軸」で比較されていた。機能数や価格で比較されると、大手汎用SFAや位置情報型SFA、現場報告型アプリとの違いが曖昧になり、「少し使いやすいサービス」に見えてしまいます。

03|狙う市場・顧客の優先順位が曖昧だった。リフォーム・住宅・不動産・ガス、その他の訪問営業と可能性が広がる一方で、どこを主戦場として受注の再現性をつくるべきかが定まっていませんでした。

04|ロジックで選ばれるための「武器」が不足していた。導入事例、Before/After、競合比較、数値根拠、ROI、リプレイスの理由 ── 共感だけでなく、理屈で選ばれるための材料が揃っていませんでした。

Before ─ 支援前
感覚的な強み
「使いやすい」「ちょうどいい」「外回り営業に便利」。顧客には評価されているが、競争戦略としてはそのまま使えない言葉だった。
Bottleneck ─ 本質的なボトルネック
比較されたとき、選ぶ理由が弱い
同じSFAの機能・価格軸に乗ると、差別化が小さく見える。機能の多さで戦う限り、構造的に「少し良い版」にしかならない。
To-Be ─ 目指す状態
勝つ評価軸そのものを変える
現場が入力する → データが貯まる → 営業が見える → 戦略が立つ。機能の多さではなく、「現場が使い続けること」を価値の中心に置いた独自の評価軸へ。
04アプローチ

「どう売るか」の前に、「何で選ばれるべきか」を決める。

eapが最初に置いた問いは「どうやって売るか」ではなく、「フロシキは何で選ばれるべきなのか」でした。答えを先に持ち込むのではなく、既存顧客がなぜ選んだのか・何と比較したのか・導入前は何で管理していたのかを一つずつ分解し、感覚的な強みを競争戦略として使える形に組み立て直していきました。

STEP 01
顧客の課題を解像する
既存顧客・利用シーン・意思決定者を整理。誰が導入を判断し(小規模なら代表、一定規模以上なら営業責任者・営業企画)、何に困り(見込みの可視化・属人化・KPI管理)、導入前は何で管理していたのか(紙・Excel・Googleマップ・LINE)までを分解した。
STEP 02
競争環境を構造化する
競合を他社SFAに限定せず、紙・Excel・Googleマップ・「管理しない」という非消費まで含めて4〜5階層で整理。すべての層と戦うのではなく、層ごとに「勝てる線」と「避ける線」を引いた。
STEP 03
選ばれる理由を再定義する
「使いやすい」の正体を、「現場が入力し続けられる → 営業データが実際に貯まる → 見込みと活動が見える → 管理者が戦略を立てられる」という因果構造へ変換。形容詞ではなく、価値の連鎖として言語化した。
STEP 04
勝つポジションを決める
機能の多さで比較される土俵から降り、「現場が使い続ける × 外回り営業特化」という評価軸へ比較の軸をずらす。あわせて、SFAを比較検討し始める前の企業 ── 紙・Excel・Googleマップで管理している層 ── に早い段階から出会う、参入タイミングの設計も行った。
STEP 05
狙う市場とチャネルを絞る
実証済みの顧客が集中するリフォーム・住宅・不動産を足がかり市場として設計し、検証が済んでいない市場は拡張先として位置づけ。リプレイスを狙う対象と、非消費層への入り方を切り分けた。
STEP 06
営業・マーケティングの武器へ落とす
導入事例・競合比較・ROI・営業資料・LP・SEO・営業トークへ展開するための「武器製造」の計画を、30日・90日・180日のロードマップとして設計した。
05実行内容

3C分析からロードマップまで、一貫した論理でつなぐ。

eapが設計したのは、個別の施策ではなく「勝ち方」の全体像です。3C分析からチャネル・ロードマップまでを、一貫した論理でつながる形に落とし込みました。

013C分析顧客(意思決定者・3大課題・代替手段)/競合(非消費〜上位SFAの階層構造化)/自社(強みの正体の再定義)
02バリューポジション設計顧客が望む価値 × フロシキが提供できる価値 × 競合が提供しきれていない価値の交点を特定
03競合構造分析4〜5階層の分類/層ごとの勝てる線・避ける線/リプレイスを狙う対象の選別
04ポジショニング再設計「SFAの少し良い版」からの離脱/評価軸を「現場が使い続けること」へ変更
05ターゲット戦略優先市場・企業規模・意思決定者の整理/足がかり市場と拡張市場の切り分け
06メッセージ戦略LP・営業資料で伝える価値の順序設計/決裁者向けと現場向けの訴求の分離
07チャネル戦略SEO・テレアポ・DM・展示会・紹介・パートナーの役割整理/比較検討層と非消費層で役割を分担
08成長ロードマップ30・90・180日の実行計画/入力率・定着率・チャネル別CVRなど計測すべきKPIの設計
06戦略設計

打ち合わせごとに、戦略の解像度を上げていく。

戦略は一度で完成させず、打ち合わせごとに解像度を上げる進め方をとりました。

PHASE 01
事業と課題の整理
初回の打ち合わせで、顧客像・解決している課題・選ばれる理由・チャネルを棚卸し。「使いやすい」「ちょうどいい」のままでは競合比較で弱い、という課題認識をDonDot社とeapで揃えた。
PHASE 02
3C分析・価値の再定義
顧客・競合・自社を構造化し、バリューポジションを設計。最大の競合が非消費と「導入しても現場に使われないSFA」であることを特定し、価値を因果構造へ再定義した。
PHASE 03
ポジショニングと成長戦略
「比較される評価軸を変える」「顧客と出会うタイミングを変える」という2つのずらし方を役割分担として整理。狙う市場・避ける市場、チャネル、成長ロードマップまでを一枚の戦略に統合した。
07支援アウトプット

支援アウトプット

「分析しました」で終わらせず、営業とマーケティングでそのまま使える戦略の設計図に落とす。

ここでは、実際のプロジェクトで作成した支援アウトプットの一部をご紹介しています。機密情報等を除き、公開用に再編集しています。

支援アウトプット01 3C分析。顧客(意思決定者・3大課題・代替手段)、競合(非消費から上位SFAまでの階層)、自社(強みの正体の再定義)を1枚で構造化したスライド。
01 3C分析|顧客・競合・自社を1枚で構造化。顧客の3大課題と代替手段、競合の階層、そして「使いやすさ」の先にある自社の強みの正体までを整理しました。
支援アウトプット02 バリューポジション。顧客が望む価値、フロシキが提供できる価値、競合が提供しきれていない価値の3つの重なりから、フロシキ独自の提供価値を定義したスライド。
02 バリューポジション|顧客が望む価値 × フロシキが提供できる価値 × 競合が提供しきれていない価値。3つの重なりから、フロシキだけが提供できる価値を定義しました。
支援アウトプット03 競合ポジショニング。紙・Excel・Googleマップの非消費、現場報告型アプリ、位置情報型の上位SFA、汎用SFA/CRMという市場構造を可視化し、勝てる市場と避ける市場を整理したスライド。
03 競合ポジショニング|非消費から上位SFAまでの市場構造を可視化。「全部と戦う」のではなく、勝てる市場・避ける市場を層ごとに整理しました。
支援アウトプット04 ポジショニング再設計。「使いやすい・ちょうどいい」という感覚的な強みを、現場が入力する、データが貯まる、営業が見える、戦略が立つという因果構造へ変換したスライド。
04 ポジショニング再設計|「使いやすい・ちょうどいい」という形容詞を、「現場が入力する → データが貯まる → 戦略が立つ」という因果構造へ変換しました。
支援アウトプット05 マーケティング戦略・成長ロードマップ。足がかり市場の確立、武器製造、チャネル展開、横展開という流れを30日・90日・180日の実行計画に落としたスライド。
05 マーケティング戦略・ロードマップ|足がかり市場の確立 → 武器製造 → チャネル展開 → 横展開。成長の設計図を30・90・180日の実行計画に落としました。
08成果

感覚的だった強みが、事業の「勝ち方」に変わった。

本プロジェクトの中心は、売上やリード数といった数値成果の獲得ではなく、事業・マーケティング戦略の再設計です。だからこそ成果は、「戦略として何が定まったか」で整理しています。

STRATEGIC RESULT 01
強みを、競合比較可能な価値構造へ再定義

「使いやすい」「ちょうどいい」という感覚的な評価を、「現場が入力する → データが貯まる → 営業が見える → 戦略が立つ」という因果構造へ変換。競合比較・リプレイス提案・大型顧客への提案で使える、戦略の言葉になりました。

STRATEGIC RESULT 02
狙う市場・避ける市場を整理

実証済みの顧客が集中するリフォーム・住宅・不動産を足がかり市場として設計し、未検証の市場は拡張先として位置づけ。あわせて、機能・連携の競争で不利になる領域は「追わない」と明確にし、営業リソースを集中できる状態にしました。

STRATEGIC RESULT 03
競合SFAだけでなく、非消費まで含めた成長市場を発見

3C分析を通じて、最大の競合が他社SFAだけでなく、紙・Excel・Googleマップ・「管理しない」という非消費であることを特定。SFAを比較検討している企業だけでなく、検討が始まる前の市場まで含めて成長の分母を定義し、需要創造型の戦略に道筋をつけました。

STRATEGIC RESULT 04
営業・マーケティングへ展開するロードマップを策定

導入事例・競合比較・ROI・LP・SEO・営業資料へ展開する「武器製造」の計画と、入力率・定着率・チャネル別CVRといった今後計測すべきKPIを設計。戦略を実行に接続する道筋を揃えました。

  • 競合を「機能が近いサービス」ではなく非消費〜上位SFAの階層で構造化したことで、層ごとに勝ち方・避け方を変える戦略が立てられるようになった。
  • 「入力されて初めて意味を持つ」という営業支援ツールの構造課題を突く、フロシキ独自の評価軸を定義した。
  • 効果を示す数値は仮のまま断定せず、入力率・定着率などを「今後計測して武器化するKPI」として設計に組み込んだ。
09お客様の声

「使いやすさ」の先にある価値を、言葉にできた。

「自分たちでは「使いやすさ」が強みだと思っていましたが、その使いやすさが「現場にデータが残る」ことにつながり、そこから営業戦略まで立てられることが本当の価値なのだと整理できました。」

フロシキは現場の声をもとに作ってきたサービスで、お客様からも「使いやすい」と言っていただけることが多くありました。ただ、その良さを競合と比較される場面でどう伝えるべきかには、ずっと悩みがありました。

eapさんとの議論では、既存のお客様がなぜ選んでくれたのか、導入前は何で管理していたのかというところから一つずつ分解してもらい、フロシキが戦うべき土俵と、伝えるべき価値の順序が整理されました。ここから導入事例や比較資料づくりへ進んでいきます。

株式会社DonDot
「フロシキ」事業ご担当
山﨑 様
10プロジェクトの裏側

答えを持ち込まず、「使いやすい」の正体を掘り下げる。

株式会社eap ─ Project Lead
黒崎 勇也
プロフィール →

対話の中から、戦略の言葉を掘り出す

最初から「こう戦うべきだ」という結論を持ち込んだわけではありません。初回にあったのは、「使いやすい」「ちょうどいい」という現場の言葉だけでした。そこから、既存顧客がなぜ選んだのか、何と比較したのか、導入前は何で管理していたのかを分解していくと、「入力の軽さ」が評価の中心にあり、それが「データが実際に残る」ことにつながり、最終的に「営業戦略に使える」ことこそが価値の本体だ、という構造が見えてきました。

戦略の言葉は、外から持ち込むものではなく、顧客との対話の中からしか出てきません。eapの戦略支援は、この「言語化の掘り下げ」に最も時間を使います。

数字は、計測してから語る

戦略の設計過程では、導入効果に関する数値の仮説も多く挙がりました。しかしeapは、実測の裏付けがない数値を対外的な訴求に使わない、という線を引いています。効果の数値は「これから計測して武器化するKPI」として設計に組み込み、導入事例・Before/Afterの取得計画とセットでロードマップに載せました。景品表示法の観点でも、確かめてから語るほうが、結局いちばん強い営業資産になります。

11今後の展望

戦略は描いて終わりではなく、ここから実行フェーズへ。

本プロジェクトで設計したロードマップには、導入事例の整備、Before/Afterの定量化、競合比較資料、LPの刷新、SEO、リプレイス営業の資料化、業種特化の展開、そしてSFA検討前の非消費市場への需要創造までが、実行フェーズの計画として含まれています。

その起点になるのは、入力率・定着率をはじめとするKPIの計測です。「現場が使い続ける」ことを価値の中心に置く以上、それを数字で証明できる状態をつくることが、実行フェーズの最初の仕事になります。「使いやすい」という現場の実感を、選ばれる理由へ、そして事業の成長へ。フロシキの挑戦は、ここから実行のフェーズに入ります。

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